アクティブ・ラーニング授業実践事例

学校名:由利本荘市立西目中学校
教科等:1年国語科(平成28年10月)
単元名:シカの「落ち穂拾い」ーフィールドノートの記録から

自分の文章構成や表現形式を広げる学びを実現したい

  • 見通しを持つ
  • 思考を表現に置き換える
  • 知識・技能を活用する

実践の背景

  • 実践校は「立志の学校」です。高い志を持ち、将来に渡って力強く生き抜く人間を育てることを理念としています。また、コミュニティ・スクールとして、地域とともに学校づくりを進めています。
  • 開発実践フィールド校として、全職員でアクティブ・ラーニングの視点からの授業改善に取り組む過程を、県教育委員会・市教育委員会・県総合教育センターと連携し、推進地域に公開をしながら進めています。
  • 学校で育てたい資質・能力を全職員で話し合い、それに向けて各教科で具体的な取組を積み重ね、取組を日常化シートに教師の手立てと子供の変容について記入し、共有、検証しながら研究を進めています。

授業改善のアプローチ

本教材『シカの「落ち穂拾い」』は、研究の仮説や検証を読み手に分かりやすい構成や表現で伝える形をとっています。事実と意見を区別し、順序立てて示したり、図表を効果的に用いたり、まとまりごとに小見出しを付けたりなど、その分かりやすさや説得力を高める手立ては生徒にも捉えやすいものです。本単元では、その工夫をより色濃く掴ませるために、導入では『花の形に秘められたふしぎ』と比較読みをします。そこで生徒自身が見付けた、説明の仕方や表現に見られる共通点や相違点を、記録文における特色として焦点化し、その後の学習の方向付けを図っていきます。また、学習を身近なものや社会と結び付けて考えていくことができるように、本校で取り組んでいる科学部の理科研究発表を題材としたり、救急車の有料化という現実的な問題を学習材として扱ったりしていきます。本単元を通して、自分の文章構成や表現形式を広げる学びを実現していきたいと考え、単元を構築しています。

単元づくりのポイント

目標

  • 記録の文章の特徴や筆者の論述の仕方に、興味をもって読んだり書こうとしたりしている。
    【国語への関心・意欲・態度】
  • 根拠となる事実とその事実に支えられた考察の関係をおさえて、構成や内容を捉えることができる。
    【読むこと】
  • 図表の役割や効果について理解し、説明と図表の対応を考えて分かりやすい文章を書くことができる。
    【書くこと】
  • 説明文中の語句や文末表現、小見出しに使われる語句について理解したり、適切に選んだりすることができる。
    【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項】

展開

1
『シカの「落ち穂拾い』と『花の形に秘められたふしぎ』」を比較して読み、記録文の大まかな特徴をつかむととともに、学習の見通しをもつ。
2
本文の内容を事実や考察に読み分けながら、筆者の論述や話の構成を捉える。
3
本文の図表や写真と関連した叙述を読み、図表や写真の役割について考える。図表をどこに入れると分かりやすくなるかについて検討する。
4
本文の図表や写真と関連した叙述を読み、図表や写真の役割について考える。図表をどこに入れると分かりやすくなるかについて検討する。
5
伝えたい事実や事柄について、自分の考えを根拠を明確にして書く。(本時)
6
『花の形に秘められたふしぎ』のまとまりごとにふさわしい小見出しを考える。記録の文章の特徴についてまとめることができる。

「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善

本時のねらい

伝えたい事実や事柄について、自分の考えを根拠を明確にして書くことができる。

授業場面より

  • ①図や表から考えたことを共有する

    図や表から考えたことを共有する画像

    自分の考えを持って授業に臨むことができるように、図表は事前配布をして、あらかじめ付箋に気づいたことを書くことがきるようにしておきます。また、各グループに拡大した図表を用意し、友達が図表のどこに関心をもったかや何を読み取ったかについて捉えやすいように可視化します。このような教師の手立てが、図表を活用しながら、分かりやすく考えを伝えるにはどうしたらいいか考察していく生徒の姿につながりました。

  • ②自分の考えを説明する文章を書く

    自分の考えを説明する文章を書く画像

    図表から分かったことを選択しながら、事実をふまえて自分の考えを説明する文章を書く場面です。教師は、複数の図表を関連付けて事実を挙げている生徒や説得力のある文章表現を工夫している生徒の学びを意味付けたり、書きあぐねている生徒には、どの図表からどんなことが分かったかを、口頭で引き出しながら構成メモに表す支援をしたりしていました。このような教師の支援が、図表から読み取れる事実とそこから導いた自分の考察を区別して書こうとする主体的な姿につながりました。

  • ③考えのポイントを可視化して話し合う

    考えのポイントを可視化して話し合う画像

    書いた文章を互いに紹介し,「図表を活用しながら、分かりやすく考えを伝えるにはどうしたらいいか」について話し合う場面です。教師は、各グループの考えを短冊で簡潔に記し、掲示して分類するように促しています。互いの考えのポイントが可視化されるとこにより、生徒は『シカの「落ち穂拾い」』の説明に見られた図表の効果や論述の仕方を各グループの考えと結び付けたり、自分の文章と比較したりしながら、学んだことを自分の文章に活用していきます。

  • ④自分の文章を推敲し、学びを振り返る

    自分の文章を推敲し、学びを振り返る画像

    学習をまとめ、振り返る場面です。教師は、文章の分かりやすさや説得力という視点を提示し、自分の記述を見つめ直すことのできる場を確保しています。また、まとめで気付いたことや交流をして参考にしたいと思った点などを改作に役立てるよう具体的な例を示しながら提示していきます。それが、自己の変容や他者との交流による学び合いのよさに触れた振り返りや、本時の学習で身に付いたことやその有用性を今後に結び付けようとする生徒の学びに向かおうとする姿につながりました。

報告者:研修協力員  稲岡

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