アクティブ・ラーニング授業実践事例

学校名:長野県諏訪清陵高等学校附属中学校
教科等:1年社会科(平成27年10月)
単元名:東アジア新時代~古代日本、歴史の舞台に登場!~

じっくりと深く考える学びの実現へ

  • 見通しを持つ見通しを持つ
  • 協働して課題解決する協働して課題解決する
  • 知識や技能を概念化する知識や技能を概念化する

実践の背景

  • 実践校は開校して3年目の中高一貫校です。適性検査を経て入学する生徒は学習意欲も高く知識も豊富です。そんな生徒に「本物の実力」を付けるため、中高教員が連携して6年間を見据えた学校づくりをしています。
  • 65分の豊富な授業時間を生かし、習得させるべきことを徹底し、考えさせるべきことはじっくりと考えられるような授業づくりを行っています。また、予習・復習にも重点を置き、授業と家庭学習の関連を図っています。

授業改善のアプローチ

「覚えることは一人でできるが、考えることは一人ではできない」という考え方を教科会で共有し、授業内容と関連した予習を生徒に課しています。予習が前提となる授業を仕組み、生徒がじっくりと深く考える学びを実現しようとしています。また、対話する必然性が生ずる学習問題を設定したり、互いの考えを比較・検討するために必要な資料を学習プリントに載せたりすることで、グループ討議が単なる意見発表に終わらないための工夫をしています。

単元づくりのポイント

目標

  • 古代までの日本列島の人々の生活のあらましに対する関心を高め、意欲的に追究している。
    【社会的事象への関心・意欲・態度】
  • 縄文時代と弥生時代のちがいについて考察し、その過程や結果を適切に表現している。
    【社会的な思考・判断・表現】
  • 小国のおこりから大和政権による統一までの過程を、文献資料、古墳の分布、鉄剣などの資料を通して理解している。金印や文献資料などから、古代の日本と中国をはじめとする東アジアとの関わりを捉えている。
    【資料活用の技能】
  • 稲作が伝来した後の社会の仕組みや、人々の生活の変化を理解している。東アジアとの関わり、古墳の広まり、大和政権による統一など、国家が形成されていったあらましを理解している。
    【社会的事象についての知識・理解】

展開

1
大単元「日本誕生!」
学習問題「先進地域である東アジア世界で日本が成り上がっていくにはどうすればいいのか」
学習課題「当時の様子を、国内の出来事と東アジアの関わりに着目して捉えよう」
2
中単元「東アジア新時代~古代日本、歴史の舞台に登場~」
学習問題「先進地域である東アジア世界で日本が成り上がっていくにはどうすればいいのか」
学習課題「当時の日本の政権と、中国・朝鮮半島の国々との関係性に着目して考えよう」
3
小単元「激動の東アジア~悩み多き古代日本の国づくり~」:(本時)
学習問題「大和政権は東アジアの中でどのような国づくりを進めたのか」
学習課題「大和地方の様子と東アジア世界の状況に着目して考えよう」

「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善

本時のねらい

  • 大和地方を中心に国内が統一されたことを、古墳の広まりを通して理解する。
  • さまざまな資料を通して、日本と中国・朝鮮半島との交流について気付く。

授業場面より

  • ①本時を見通す

    本時を見通す画像

    「たった一人の大王のために巨大な古墳を造ったのはなぜか(①)」。前時、生徒とともに練り上げた問いを確認した教師は問題解決の手掛かりを尋ねました。古墳が巨大化した時期の出来事を予習してきた生徒は多様な視点から解決の方向性を語ります(②)。解決の見通しを持った生徒は、根拠を明らかにしながら予想を記述していきました(③)。

  • ②グループで考えを交流する

    グループで考えを交流する画像

    10人グループの討議(④)は、生徒が進行します。生徒は古墳造営という事象を、この時期に国内外で起きた出来事やその推移に着目して捉え、それらの因果関係について考えています。教師は状況に応じて助言したりグループ間の意見をつないだりします。このような関わりによって考える内容が焦点化され、生徒同士が活発に討議する姿につながりました。

  • ③全体で課題解決を図る

    全体で課題解決を図る画像

    全体追究の場面です。グループの討議内容を⑤⑥のように全体へ説明します。仲間から新しい考えを聞いたり、自分の考えを説明したりすることは、思考の深まりにつながります。教師はこのように多様な視点での考察が促されるように、説明するグループを意図的に指名したり、補足して考えを述べるように促したりしました。このような関わりが、⑦のようにさらに新たな考えを語り出す姿を生み出しました。

  • ④関連付けて振り返る

    関連付けて振り返る画像

    振り返りの場面です。それまで聞こえていた生徒の声にかわって鉛筆を走らせる音が響く時間です。しかし一人一人の生徒を見ると鉛筆を持つ手を止めて資料集を見直し考え込む姿がときおり見られます。生徒はこのように熟考しながら本時の成果をまとめ、古墳造営の背景には国内だけでなく東アジアとの関係性を重視した政治が行われていたことなどを改めて自覚することができました。

報告者:研修協力員  谷内

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