アクティブ・ラーニング研修実践事例

廿日市市立大野中学校(平成28年7月)

映像を使って生徒が学ぶ姿と教師の手立てとの関連を分析する研修

タブレットで撮影した授業動画を用い、生徒の学ぶ姿と教師の手立てとの関連を分析することで成果(Good)と課題・改善策(More)を明らかにし、日々の授業改善につながる視点を共有する研修です。

Ⅰ  実施背景と目的

  • 実施校は、学校教育目標を「確かな学力と豊かな心を身に付けた生徒の育成」と定め、施設一体型小中一貫教育校(大野学園)として、地域に根差した次世代を育成する教育活動を推進しています。小中9年間で育成を目指す資質・能力を「自己有用感」と「説明力」と定め、全ての教育活動を通して、その育成を図っています。
  • 授業では、交流のある授業づくりを改善の重点として設定し、校内研修を小中合同で行い、校種を超えて子供の成長を捉えています。
  • 本研修では、タブレットで撮影した授業動画を用いて、生徒の学ぶ姿と教師の手立てとの関連について、成果(Good)と課題・改善策(More)の面から分析することで、日々の授業改善につながる視点を見いだし、共通した実践につなげることがねらいです。

Ⅱ  主な流れと時間配分(全50分)

<授業参観時>保健体育「器械運動(マット運動)」における生徒の学ぶ姿をタブレットで撮影

  1. 【全体】研修会の視点と授業のねらいの再確認(研究主任)5分
  2. 【全体】授業者による振り返り(授業者)5分
  3. 【グループ】生徒の学ぶ姿と教師の手立てとの関連を、成果(Good)と課題・改善策(More)の面から分析25分
  4. 【全体】各グループの発表と改善策を共有10分
  5. 【個人】振り返り5分
  6. 振り返り(個人で)10分

準備物:タブレット、授業分析シート(成果Good/課題・改善策More)

Ⅲ  事例のポイント

1  授業参観時にタブレットで生徒の学ぶ姿を撮影

  • 授業参観前に、小中の教員が混在するよう5~6人のグループに分かれます。多様な意見から成果と課題・改善策を引き出すことがねらいです。
  • グループごとに担当する生徒を決め、生徒の学ぶ姿から変容を捉えていきます。
  • 授業を参観する際には、各グループでタブレットを用いて、生徒の学ぶ姿を撮影しておくことで、生徒の学ぶ姿や変容を対話の中心に据えた協議につなげることができるようにします。

2  撮影した生徒の学ぶ姿をもとにした協議

授業後の協議では、映像を通して生徒の学ぶ姿と教師の手立てとの関連について、成果(Good)と課題・改善策(More)を書いた付箋を使って、互いの意見を整理します。

その際、タブレットで撮影した授業動画をグループのメンバーで確認することで、参観者が捉えた生徒の学ぶ具体的な姿を共有することができます。映像を通して生徒が学ぶ姿を確認することで、「教師が生徒に技能の向上につながるポイントを示唆している様子」から教師の手立ての有効性や「授業中に生徒が仲間と対話をすることで、技能の向上につながるポイントを見付けている様子」、「対話で気付いたポイントを踏まえ、ポイントを意識して練習する様子」から技の出来映えの質的な変化などが浮かび上がります。

3  次回の校内研修までに取り組む改善の視点を共有

見いだした改善策は、次回の校内研修までに全教員で実践する共通の視点とすることで、日々の授業改善につなげていきます。この研修では、育成を目指す資質・能力に視点を当て、次のような成果と課題・改善策を共有しました。


<成果(Good)>
本時で生徒がタブレットを用いて自己の動きを撮影してもらうことで、練習後すぐ映像を確認することができた。その際、映像を根拠に生徒同士で改善点を説明し合うことが、説明力の向上に効果的であったと言える。さらに、生徒自身が仲間との対話を通して見付けた改善点を納得して練習したことが、技の出来映えの質的な変化にもつながったと言える。
<課題・改善策(More)>
説明力をさらに伸ばすためには、生徒同士の対話により、思考が深まるような手立てがどの教科でも必要である。対話のねらいを明確にし、どのように対話の場を設定することが効果的か、対話を促進し、思考を広げ深めるためにタブレットなどをどのように用いることが適切かといった視点で単元計画を見直し、実践する。

報告者:研修協力員  木野村

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