NITSニュース第2号 平成29年6月30日

アクティブ・ラーニングの実現と研修のあり方

独立行政法人教職員支援機構 理事 髙口努

本年3月に新しい小中学校学習指導要領が告示された。子供達には、これからの変化の激しい先が見通しにくい社会を生き抜くための資質・能力を育成するため、「主体的・対話的で深い学び」、いわゆるアクティブ・ラーニングの実現に向けた授業改善がその一つの大きな柱として掲げられた。

授業実践や授業研究の蓄積に基づく授業改善の取組は、これまで我が国の学校において日常的に盛んに行われてきたところであり、これらは近年「レッスン・スタディ」として、諸外国からも注目が集まっている。文部科学省も言っているように、我が国の小・中学校においては、これまでと全く異なる指導方法を導入しなければならないと浮足立つ必要はなく、これまでの教育実践の蓄積を若手教員にもしっかり引き継ぎつつ、授業を工夫・改善することが求められるのである。

しかしながら、このアクティブ・ラーニングが真の狙いとする授業改善の実現のためには、若手教員の増加など学校をめぐる環境が大きく変わってきている中、これまでのような講義一辺倒や、指導者が一方的にコメントする研修のスタイルでは決して実現できない。

当機構では、一昨年度から「新たな学びに関する教員の資質能力向上のためのプロジェクト」を3年間の事業として実施し、アクティブ・ラーニングに関する新たな学びの指導方法等について事例収集・分析等の研究を深めるとともに、アクティブ・ラーニングの視点から授業を評価したりデザインしたりする目を養うための校内研修を中心とした研修プログラムモデルを構築してきており、現在その途上にある。

これまで検討を行ってきた効果的な研修プログラムのあり方としては、小グループのワークショップ型の研修スタイルにより、①授業観察において、教員の単なる教え方ではなく、子供達の学びの姿やその変化と、そのために講じている教員の具体的な手立ての工夫に着目する、②研修でのグループワークにより各参加者が必ずアウトプットの機会を確保する、③模造紙に付箋等を貼り付けるなどしてグループでの検討や思考を可視化する、④必ず最後にリフレクションを行い、次の授業改善につなげる、などがポイントとしてあげられる。是非とも皆さんの実践の参考にしていただけたら幸いである。

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