NITSニュース第31号 平成30年2月9日

求められる事務職員像

国立教育政策研究所 総括研究官 藤原文雄

校長が適切な経営判断を行う上では情報というリソース(資源)が必要です。教師が優れた教育活動を行う上では、教材を購入するお金、ボランティアの協力など豊富なリソースが必要です。近年、タイム・マネジメントの重要性が認められているように、子供や教職員の時間も有効活用されるべきリソースです。事務職員は、これらの経営活動や教育活動にとって不可欠なリソースを調達・管理する「リソース・マネジャー」なのです。

事務職員は単独で成果を出すことはできません。優れた経営活動や教育活動が生み出されるためには、(1)経営を担当する校長や副校長・教頭、(2)教育を担当する教師、(3)リソースを管理する事務職員という三者の間の仲間意識と相互の役割や専門性に対するリスペクトに裏付けられた良好なコミュニケーションと協働が不可欠なのです。

ところが、これまで全国の全ての学校で事務職員の専門性が生かされてきたとは言い難い状況にありました。

こうした現状を踏まえ、学校教育法が改正され、2017年4月から事務職員の職務内容は、これまでの「事務に従事する」から「事務をつかさどる」に変更されたのです。校長は「校務」を、教諭は「児童の教育」と、それぞれつかさどる対象こそ違いますが、等しく「つかさどる」職になったのです。

この改正に当たり文部科学事務次官が発出した「通知」は、事務職員の「専門性を生かして学校の事務を一定の責任をもって自己の担任事項として処理することとし、より主体的・積極的に校務運営に参画することを目指すものである」と改正の狙いを明確に説明しています。

同時に、「通知」は「新たな職務を踏まえ、資質、能力と意欲のある事務職員の採用、研修等を通じた育成に一層努めること」と述べています。

今後は、自治体レベルの制度改正とともに、校長や教師、事務職員自身の努力によって、「つかさどる」という法的な理想が実現していくことになることでしょう。

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