NITSニュース第37号 平成30年3月23日

情報社会のリアリティ

東北大学大学院 教授 堀田龍也

つくばに研修に行くとき、みなさんはきっとスマホで事前に検索し、研修場所や道順の情報を先に入手していることでしょう。スマホがあれば、新幹線や飛行機の切符、ホテルなどを予約することもできます。現地に到着した後は、地図やナビを頼って歩くこともできます。つくばの街の美味しい食事場所を探すこともできます。研修で出会った人たちとメッセージ交換もできます。これだけ便利なスマホが広く普及するのは当然のことでしょう。

スマホで切符やホテルの予約ができるのは、ネットワークの向こうにある予約システムのおかげです。食事場所の紹介もまた、多数のレストラン情報を登録したグルメサイトのおかげです。私たちはこれらのシステムに助けられ、便利かつ効率的に日々の生活を送ることができています。その一方で、昔は人手で行われていたこれらの業務はシステムに置き換えられ、それによって職を失った人や立ちゆかなくなった会社があるはずです。
思い出の写真の記録、その発信など、周囲と常にコミュニケーションしている私たちの日常。いざとなればスマホに頼るという生活をしている私たちは、スマホを忘れた時に少し不安になります。スマホに消費する時間が増えることにより、仕事上での行き違いや人間関係のトラブルもまたスマホを介して生じます。

メディアは常に進化し、私たちは常にメディアに支援され、社会はそれを前提に動いています。これが情報社会です。ここに今後はIoTやAIが参入してきます。今は存在しているビジネスが消え、今は予想もできないビジネスが立ち上がることでしょう。
それを中心になって支えていくのは、今の子供たちです。彼らが生きていくことになる高度に情報化された社会。そこで必要となる知識やスキルは、情報社会から隔絶された学校では到底身につけることはできません。だから今のうちから一人1台のコンピュータを学校に導入し、授業で得た知識をチームで検討させ、伝える相手を意識して再構成させ、そこに込める自分の思いを明確化させるのです。ネットワークに繋がっていないスマホが役に立たないように、ネットワーク無しの学習環境は考えられないのです。

「予算がないのでICTの整備が遅れています」という言葉を大人から聞くたびに、子供たちが支える私たちの未来への想像力がもっと必要なのではないかと痛感しています。

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